【漆の里を見守る古刹】会津五薬師「北山薬師堂」に息づく、独自の信仰と子育ての風習
北塩原村ののどかな風景の中にひっそりと佇む「北山薬師堂」。ここは、会津盆地の中央と東西南北に配置され、地域全体を厄災から守護してきた「会津五薬師」のうちの「北方薬師」にあたる格式高いお堂です。古くから地元の人々の厚い信仰を集め、地域に根差した独自の文化を今に伝えています。
■ なぜ「漆(うるし)薬師」と呼ばれるのか?
このお堂のマニアックな見どころは、「北山漆薬師」という別名にあります。実はこの周辺一帯は、かつて会津塗の原料となる上質な漆の一大産地でした。漆かぶれの平癒や、良質な漆が採れることを祈願するため、漆かき職人や塗師たちが足繁く通ったという歴史的背景があります。伝統工芸「会津塗」の発展を、信仰という目に見えない側面から支え続けてきた重要な場所なのです。
■ 我が子の健やかな成長を願う「二つ児参り」
さらに特徴的なのが、この地に古くから伝わる「二つ児(ふたつご)参り」という風習です。数え年で2歳になった幼児を連れてお参りすると、一生健康で健やかに育つと言い伝えられており、現在でも毎年9月の祭礼には、我が子の無病息災を願う多くの家族連れで賑わいます。煌びやかな観光地とは一味違う、会津の人々の暮らしと祈りの歴史が静かに息づく神聖な空間を、ぜひ肌で感じてみてください。
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