【湖畔に佇むルネッサンス】皇族が愛した美意識の結晶。国指定重要文化財「天鏡閣」
猪苗代湖の美しい湖畔に、周囲の自然と見事な調和を見せる優雅な洋館が静かに佇んでいます。それが、明治40年(1907年)に有栖川宮威仁(ありすがわのみや たけひと)親王殿下が猪苗代湖の風景の美しさに心打たれ、御別邸として建築された「天鏡閣(てんきょうかく)」です。後に国の重要文化財にも指定された、猪苗代エリアを代表する歴史的建造物です。
■ 息を呑むようなルネッサンス様式の意匠
マニアックな注目ポイントは、細部まで徹底的にこだわり抜かれた西洋建築の美しさです。ルネッサンス様式を取り入れた館内には、大理石で作られた重厚なマントルピース(暖炉の飾り枠)が26個も設置されており、当時の皇族の華やかな暮らしぶりをダイレクトに伝えてくれます。各部屋を優しく照らす豪華なシャンデリアや、見上げると思わずため息が出る天井の円形飾り絵など、職人たちの贅を尽くした技巧が随所に光ります。
■ 部屋ごとに表情を変える「美の迷宮」
さらに素晴らしいのが、部屋を移動するごとに内装のデザインが変化する点です。客間、食堂、ビリヤード室など、それぞれの用途に合わせて照明や壁紙、装飾のテイストが綿密に計算されており、館内を巡るだけでまるで極上の美術館を歩いているような感覚に陥ります。
喜多方の蔵造りや米沢の武家屋敷で触れてきた重厚な「和」の歴史から一転して、猪苗代湖畔で優雅な「洋」のロマンに浸る。旅のコントラストを際立たせ、大人の知的好奇心と美意識を満たしてくれる極上の空間です。
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