【平安の風が吹き抜ける】44本の巨柱と黄金の大銀杏。修験者の息吹を伝える「新宮熊野神社 長床」
喜多方市郊外の静かな森に包まれた「新宮熊野神社」。その境内にそびえ立つ拝殿「長床(ながとこ)」は、平安時代末期の建築様式を今に伝える国の重要文化財です。壁も扉も一切ない、完全な「吹き抜け」という全国的にも極めて珍しい構造は、一目見た瞬間に圧倒されるほどの存在感を放っています。
■ 44本の丸柱が織りなす、計算し尽くされた建築美
マニアックな必見ポイントは、茅葺(かやぶき)屋根を支える44本もの太い柱です。直径約45cmの円柱が等間隔に整然と並ぶ姿は、質実剛健でありながら幾何学的な美しさを湛えています。ここはかつて、熊野信仰に基づく山伏や修験者たちの厳しい修行の場でした。壁がないため、吹き抜ける風や鳥のさえずりといった自然の気配をダイレクトに感じながら、古の行者たちが見つめたであろう同じ景色と精神性を追体験することができます。
■ 樹齢800年の大イチョウが敷き詰める「黄金の絨毯」
秋に訪れると、もう一つの絶景が待っています。長床の前にそびえる樹齢800年、高さ約30mの「ご神木の大イチョウ」です。晩秋を迎え、無数の葉がハラハラと舞い散ると、長床の周囲は一面まばゆい「黄金の絨毯」に覆われます。歳月を重ねた重厚な木の質感を残す長床と、鮮やかなイチョウのコントラストはまさに息を呑むほどの美しさ。自然と見事に調和する平安建築の真髄を、ぜひ全身でご堪能ください。
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