旧五十嵐家住宅

旧五十嵐家住宅

エリア:会津坂下町

おすすめ時期:通年

【時を止めた茅葺の威容】「旧五十嵐家住宅」に刻まれた豪農の誇りと暮らし

会津坂下町ののどかな風景の中に、一際目を引く重厚な茅葺屋根が鎮座しています。国指定重要文化財「旧五十嵐家住宅」。江戸時代中期、この地を治めた豪農の邸宅として建てられたこの場所は、数百年もの間、会津の厳しい自然と人々の営みを見守り続けてきた、生きた歴史の証人です。

■ 圧倒的なスケールで迫る、中門造りの美

五十嵐家の最大の特徴は、会津地方の民家形式の完成形とも言われる「中門造り(ちゅうもんづくり)」にあります。

  • 機能美の極致: L字型に突き出した「中門」は、雪深い会津において馬屋と居住空間を一体化させ、厳しい冬を乗り越えるための知恵が凝縮された形。
  • 重厚な木組み: 屋内へ一歩足を踏み入れれば、太い梁(はり)が幾重にも交差する圧倒的な木組みに目を奪われます。囲炉裏から上がる煙で燻され、黒光りする柱の一本一本に、家を守り継いできた人々の執念が宿っています。

■ 囲炉裏の火影が映し出す、古の日常

土間に立ち、高く吹き抜けた天井を見上げれば、かつての農村の活気が蘇るようです。

  • 光と影の情緒: 小さな窓から差し込む光が、使い込まれた板の間を照らす静謐な空間。ここでは、分厚い茅葺屋根がもたらす静寂さえも、歴史の一部として体感できます。

幾世代もの家族の語らいを包み込んできた、温かくも厳かな空間。会津の「原風景」が色濃く残るこの邸宅で、忘れかけていた日本人の心のルーツに触れてみませんか。

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