塔のへつり

塔のへつり

エリア:下郷町

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【一〇〇万年の鼓動、刻まれた断崖】「塔のへつり」が魅せる大自然の造形美

下郷町の阿賀川(大川)沿いに、まるで塔が立ち並ぶかのような異形の断崖が姿を現します。それが「塔のへつり」です。「へつり」とは会津の方言で「断崖・険しい道」を意味する言葉。一〇〇万年という想像を絶する歳月をかけ、川の侵食と風雨の風化が創り上げたこの景色は、一九四三年(昭和一八年)にその稀有な地質学的価値が認められ、国の天然記念物に指定されました。

■ 悠久の時が削り出した「水の回廊」

白い岩肌が奇妙に窪み、せり出したその姿は、見る角度によって「象塔岩」「獅子塔岩」など十の塔に見立てられています。

  • 揺れる吊り橋の先に: 大川に架かる吊り橋を渡れば、断崖の内部を削って造られた歩道へ。岩の懐深くへ足を踏み入れると、ひんやりとした空気の中に、地球が刻んできた一〇〇万年の重みが漂っています。
  • 四季の彩色を纏う: 初夏には藤の花が紫の滴を垂らし、秋には燃えるような紅葉が白い岩肌を彩ります。戦前から守り継がれてきたこの絶景は、どの瞬間を切り取っても、水墨画のような気高き美しさを放ちます。

■ 祈りと自然が溶け合う聖域

岩窟の中には、古くから地域の人々に信仰されてきた「虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)」が祀られています。

  • 智慧の守護神: 険しい岩肌に祈りを捧げるその光景は、古来、日本人が自然の中に神性を見出してきた精神文化を今に伝えています。

水の流れが岩を穿ち、風が形を整える。天然記念物指定から八十年以上、変わらぬ姿で人々を圧倒し続ける「自然の塔」。大地の呼吸に耳を澄ませるひとときを過ごしに、へつりの地へ足を運んでみませんか。

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