下郷町の阿賀川(大川)沿いに、まるで塔が立ち並ぶかのような異形の断崖が姿を現します。それが「塔のへつり」です。「へつり」とは会津の方言で「断崖・険しい道」を意味する言葉。一〇〇万年という想像を絶する歳月をかけ、川の侵食と風雨の風化が創り上げたこの景色は、一九四三年(昭和一八年)にその稀有な地質学的価値が認められ、国の天然記念物に指定されました。
白い岩肌が奇妙に窪み、せり出したその姿は、見る角度によって「象塔岩」「獅子塔岩」など十の塔に見立てられています。
岩窟の中には、古くから地域の人々に信仰されてきた「虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)」が祀られています。
水の流れが岩を穿ち、風が形を整える。天然記念物指定から八十年以上、変わらぬ姿で人々を圧倒し続ける「自然の塔」。大地の呼吸に耳を澄ませるひとときを過ごしに、へつりの地へ足を運んでみませんか。
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