会津美里町の山中に、見る者の目を疑わせるような光景が広がっています。巨大な岩壁に吸い付くように建てられた、三層構造の懸造り(かけづくり)――。それが、会津三十三観音の第二十一番札所「左下り観音」です。平安時代、弘法大師空海による開基と伝えられるこの場所は、自然の峻険さと人の祈りが一つに溶け合う、まさに「天空の聖域」と呼ぶにふさわしい場所です。
「清水の舞台」を彷彿とさせるこの建築は、迫り出した岩盤を巧みに利用し、柱を組んで建てられています。
岩窟に安置された観音像は、古くから地域の人々の苦しみを取り除き、知恵を授ける守護仏として信仰されてきました。
一千年の時を越えて、崖っぷちから会津を見守り続ける慈愛の眼差し。その圧倒的な造形美と、魂を浄めるような静かな時間に身を委ねに、左下り観音の舞台へ登ってみませんか。
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